アニメーションの音を聴く vol.2
映画『聲の形』-inner silence-
~牛尾憲輔氏 劇伴ライブ上映~
昨年より開催の「アニメーションの音を聴く」プログラムは、アニメーション作品の劇中に流れる音に注目し、「聴く」ことにより作品への新しい発見を共有する試みです。昨年のvol.1『風立ちぬ』に続くvol.2では、映画『聲の形』「inner silence」バージョンの劇伴ライブを、作曲を担当された牛尾憲輔氏の演奏により開催いたします。映画『聲の形』のそれぞれの登場人物の繊細な内面に潜り込むような音楽が素晴らしい作品ですが、映画公開時のものとは別に改めて作られた「inner silence」バージョン(ブルーレイの特典として収録)は、主人公の内的世界に沿うかのように、登場人物たちのセリフが消え、親密さと疎遠さの両方を感じさせる繊細な強度のある音楽のみで構成されるものです。今回のライブ版は、作品および「inner silence」バージョンがもつ息を呑むような緊張感を、さらに高めることでしょう。このかけがえのない時間を、どうぞお見逃しなく。
全世代から共感と感動を呼んだ名作を、京都アニメーションにより映画化!
まっすぐに「いま」と向き合う少年少女の姿を等身大に描き、全世代から共感と感動を呼んだ名作、大今良時の漫画「聲の形」。
このベストセラーコミックが、日本アカデミー賞 優秀賞を獲得した『映画 けいおん!』(11年)など、多くの作品を輩出し続けている京都アニメーションにより新たにアニメーション映画化!
監督はTVアニメ「けいおん!」で初監督を務め、『たまこラブストーリー』(14年)にて文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門新人賞を獲得した、京都アニメーションに所属する山田尚子。
不器用で、もどかしくて、でも伝えたいことがあふれている少年少女たちのせつない青春に、スクリーンが温かな涙で包まれます。
ストーリー
ガキ大将だった小学6年生の石田将也は、転校生の少女、西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。
「いい奴ぶってんじゃねーよ。」
自分の想いを伝えられないふたりはすれ違い、分かり合えないまま、ある日硝子は転校してしまう。
やがて五年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長したふたり。
あの日以来、伝えたい想いを内に抱えていた将也は硝子のもとを訪れる。
「俺と西宮、友達になれるかな?」
再会したふたりは、今まで距離を置いていた同級生たちに会いに行く。
止まっていた時間が少しずつ動きだし、ふたりの世界は変わっていったように見えたが――。
ゲストプロフィール
牛尾憲輔
ソロアーティストとして、2007年に石野卓球のレーベル”PLATIK”よりリリースしたコンビレーションアルバム『GATHERING TRAXX VOL.1』に参加。
2008年12月にソロユニット”agraph”としてデビューアルバム『a day, phases』をリリース。石野卓球をして「デビュー作にしてマスターピース」と言わしめたほどクオリティの高いチルアウトミュージックとして各方面に評価を得る。2010年11月3日、前作で高く評価された静謐な響きそのままに、より深く緻密に進化したセカンドアルバム『equal』をリリース。
同年のUNDERWORLDの来日公演(10/7 Zepp Tokyo)でオープニングアクトに抜擢され、翌2011年には国内最大の屋内テクノフェスティバル「WIRE11」、2013年には「SonarSound Tokyo 2013」にライブアクトとして出演を果たした。
一方、2011年にはagraphと並行して、ナカコー(iLL/ex.supercar)、フルカワミキ(ex.supercar)、田渕ひさ子(bloodthirsty butchers/toddle)との新バンド、LAMAを結成。
2003年からテクニカルエンジニア、プロダクションアシスタントとして電気グルーヴ、石野卓球をはじめ、様々なアーティストの制作、ライブをサポートしてきたが、2012年以降は電気グルーヴのライブサポートメンバーとしても活動する。
2014年4月よりスタートしたTVアニメ「ピンポン」の劇伴を担当した。
2016年2月には3rdアルバムとなる『the shader』〈BEAT RECORDS〉を完成させ、同年9月に公開された京都アニメーション制作、山田尚子監督による映画『聲の形』の劇伴を担当。映画公開に合わせて楽曲群をコンパイルしたオリジナル・サウンドトラック 『a shape of light』がリリースされた。
2018年初春、Netflixにて全世界配信される「DEVILMAN crybaby」の劇伴を担当している。
その他、REMIX、プロデュースワークをはじめ、CM音楽も多数手掛けるなど多岐にわたる活動を行っている。
guest
作品情報
スタッフ
原作:「聲の形」大今良時(講談社コミックス刊)
監督:山田尚子 脚本:吉田玲子
キャラクターデザイン:西屋太志
美術監督:篠原睦雄
色彩設計:石田奈央美
設定:秋竹斉一
撮影監督:髙尾一也
音響監督:鶴岡陽太
音楽:牛尾憲輔
主題歌:aiko「恋をしたのは」
音楽制作:ポニーキャニオン
アニメーション制作:京都アニメーション
製作:映画聲の形製作委員会
(京都アニメーション/ポニーキャニオン/ABCアニメーション/クオラス/松竹/講談社)
配給:松竹
2016年/130分/ブルーレイ
© 大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会