『西遊記 鉄扇公主の巻』
特別講演 岡田秀則「国産ストップモーション動画史研究の深化に向けて 持永只仁展の経験から」
(共催:東京国立近代美術館フィルムセンター)

《西遊記 鉄扇公主の巻》11月3日 16:20~ シアター2
《特別講演 岡田秀則「国産ストップモーション動画史研究の深化に向けて 持永只仁展の経験から」》11月3日 17:55~ 4F オアシスパーク

中国民族文化の「西遊記」を題材とした、アジア初の長編アニメーション!

万兄弟によるアジア初の長編アニメーション。1937年のディズニーの北米初の長編『白雪姫』に触発され(ただしアニメーションのスタイルやユーモアはフライシャー兄弟が近しい)、中国民族文化の「西遊記」を題材とした。牛魔王や鉄扇公主と戦う「火焔山」の場を中心的に取り上げる。本作は1941年に公開され大ヒット。戦時中ゆえにディズニーやフライシャーの長編が公開されていなかった日本では、日本で公開された初のアニメーション作品としても大きく注目を浴びた。その観客のなかには、当時瀬尾光世らとともに長編制作に取り掛かろうとしていた持永只仁や、少年だった手塚治虫もおり、大きな影響を与えた。

ゲストプロフィール

岡田秀則(東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員)

1968年愛知県生まれ。東京国立近代美術館フィルムセンター主任研究員として、映画のフィルム/関連マテリアルの収集・保存や、上映企画の運営、映画教育などに携わり、2007年からは映画展覧会のキュレーションを担当。また、学術書から一般書まで内外の映画史を踏まえたさまざまな論考、エッセイを発表している。

guest

作品情報

1941年/75分/中国/ブルーレイ/日本語吹き替え版

 

 現在、国産アニメーション史研究はかなりの発展を見せているが、その中でストップモーション動画の分野はまだ端緒についたばかりと言える。東京国立近代美術館フィルムセンターでは2017年に展覧会「人形アニメーション作家 持永只仁」と関連上映会を開催した。その企画運営の経験から、今後の持永只仁研究、ひいては国産人形アニメーション史研究に残された課題を整理し、報告する。